迷光亭冬雀日記

思いつくまま、気の向くまま。行く先もわからぬまま。

ほんとのじぶん

あのさ、わざわざ「特別な自分」をアピールすることもないけどさ、どうしてそんなに「みんなと一緒の自分」になりたがるのかね。「やりたいこと」や「こうなりたいもの」は、自分の「本当の欲望」にのみ、従ったほうがいいと思うよ。「他者の欲望」と「自分…

定点観測

8月初めから仕事が50日間の夏休みに入ったので、暇を持て余さないように、自分で「個人的な自由研究」をすることにした。それが自宅近所から見た空の写真を撮ること。 撮影する場所と方角・画角を一定に決めて、時刻については定時を定めた方が良いのだけど…

あなたとは

あなた、というひとは、あなたがこれまで、そのようにして生きてきた、その通りのひとなのであり。その結果であるところの、今のあなた自身そのものなのだ。そのあなたが、あなた自身をとくべつ誇示する必要もなければ、とくべつ卑下する必要もない。極論を…

ああ、もういいやぁ

ああ、もういいやぁ! もうじぶんがなにをすきかなんて ひとからおしえてもらわなくても じぶんでわかってるし、 そのすきなものが ひとからあしざまにいわれてたって 気にしやしないんだぁ! もういいやぁ! ああ、もういいやぁ! ほんとうはじぶんがなにを…

僕はカレーが好き

僕はカレーが好きだ べつにグルメじゃないからカレーの味を批評できるわけじゃない カレーマニアじゃないからカレートリビアにくわしいわけじゃない トレンドに敏感でもないからそんなにたくさんカレーのうまい店を知ってるわけじゃない(すこしの店は、知っ…

午後三時、眼科の待合室で。

本日、眼科通院、待合室。小さな男の子ふたりと、若いお母さん。おとうとくんは、お母さんのひざの上に、だっこ。おにいちゃんが、お母さんのとなりに、ちょこんとすわって、お母さんに話しかけている。 おにいちゃん「ここは…。みっしつ?」お母さん「まど…

Haiku 2016/06/11

A summer morning, silence between orange and blue. ( photo by : Asami F. )

雨が降ってる。

雨が降ってる。午前4時半、早朝覚醒。 今日はみどりの日で、仕事も行かなくてよくて、出かける用事もなくて、部屋の中にいて。 家族が起きる気配もなく、空は白みはじめたけれど、まだ日も昇らず、ベッドから身を起こすこともなく、ただ、雨音を聴いていて。…

私の理想の隠遁生活

(2015年3月14日、記す。いまは遠い、ふたりのこころに捧ぐ) 60歳の夏、冗談のようだが、宝くじで 3億円が当たった。かくして、私の理想の隠遁生活が始まった。 住処は、千代田区猿楽町、駿河台から女坂を下った辺りの雑居ビルの 4階に定めた。この街は、私…

やがて哀しきパチンコ Tears of PACHINKER

パチンコは、かなしい。 パチンコは、さみしい。 パチンコは、くるしい。 まるで「片思いの恋」のようだ。 「片思い」にも、「パチンコ」にも身を焦がすような、「悦び」と「陶酔」があるが、それでも「かなしみ」のほうが、それらを上まわる。 単にギャンブ…

「人間性 humanity 」に関する、一考察(原案、備忘録として)

「人間性 humanity 」を守ることこそが、「人間存在 human being 」を守る、ほとんど唯一の手段ではないか。生物学的な、医学的な、人間の「命」を守ることのみに着目するのではなく。「人間性」を失ったときに、「人間」はそれでもなお「人間」と呼べるのか…

ただ、俺は…。

(2020年3月30日、午後12:01、Twitterに投稿。本日、2020年4月21日、午前5:43、本ブログに掲載) 俺は観察し、 考え、 記憶する。 俺には分かる。 俺には分かる。 しかし、俺には何も変えられない。 世界を変革することも、 惚れた女ひとり振り向かせるこ…

「人間性」を担保するのは「不要不急」の外出

(拙文、2020.04.04記す、2020.04.18、本日発表。) …って、タイトルで結論はもう出ちゃっているんだけどね。 「不要不急の外出を自粛するよう要請」、ってさぁ…。 どうなの?この日本語としてのセンスが疑わしいフレーズ?! 論理的でも全くないし! 例えば…

マイ・オールタイム・ベスト・シネマ、5選

個人用メモ。 ①『ふたり』大林宣彦監督 ②『スカイ・クロラ』押井守監督 ③『ゼロの未来』テリー・ギリアム監督 ④『パターソン』ジム・ジャームッシュ監督 ⑤『T2 トレインスポッティング』ダニー・ボイル監督 次点その1『天気の子』新海誠監督 次点その2『ブレ…

はるのひに。

ひととひととが、おなじところ、おなじじかんを、ともにすごすこと。 お茶をのんだり、ケーキをたべたり、お酒をのんだり、やきとりたべたり、 おしゃべりしたり、音楽きいたり、おおごえでうたったり、パチンコしたり、 映画をみたり、絵画をみたり、だきあ…

ハートフィールド、またたび……

「夜中の3時に寝静まった台所の冷蔵庫を漁るような人間には、それだけの文章しか書くことはできない。」と、村上春樹は彼の処女作『風の歌を聴け』でそう書いている。 ついさっきまで、夜中の3時過ぎに冷蔵庫を漁って、スライスハムとゆで卵を食べ、それで…

あなた

わたしのマリア わたしのソフィア わたしのドロシー わたしのミューズ そしてわたしのルー・ザロメ そしてわたしの紙谷伸子 汝の名は、女 それは、あなた あなただけ ただひとり

ころんだら

道を歩いてたら 足がもつれて ぶざまにころんだ 「いてて」と顔をあげたら 目の前にタンポポが花咲いてた そんなふうな僕のひぐらし タンポポの黄色、春の日

道徳の教科書なんかいらない!

正直に言って、あまり自分を善人だと思えたためしがない。いや、それならば悪人だと思っているのかというとそんなこともないのだが。 ただ、ことばにするならば、ある種の「道徳の過剰さ」とでも言うべきものにうんざりしている節はある。 もう少し具体的に…

自分をはげますことば、思いつくだけ書き出してみた。

・人生の正解を求めることが人生の目的ではない。 ・楽しいこと、嬉しいことを大切に。 ・常に正しくなければいけないわけではない。 ・失敗するのは避けきれない。次からどうすればいいかを考えよう。 ・「死にたい」気持ちは仕方ないが、もっと具体的に自…

君が僕を変えてしまったいくつかのこと

君は僕のものの見方を変えてしまった 地下鉄は外の景色が見えないから好きじゃないと言う僕に 地下鉄の駅から出たときの街の風景の驚きを 君は教えてくれた 君は僕の世界の感じ方を変えてしまった ただぼんやりと夕暮れの空を眺めているのが好きだった僕に …

My favorite 7 poems

''Daffodils'' ウィリアム・ワーズワース ''Soda Crackers'' レイモンド・カーヴァー ''Pippa’s Song'' ロバート・ブラウニング ''XXXⅡ''(from ''A Shropshire Lad'') A・E・ハウスマン ''Down By The Salley Gardens'' ウィリアム・バトラー・イェイツ ''…

愛の近似値

どれだけ思いをつのらせたところで、彼女に対して私が抱いているこの感情は、愛情と呼ぶのにはふさわしくないのだろう(少なくとも彼女は私の思いを「愛」とは信じてくれなかった)。 しかし、私の生きてきた年月の間に、自分自身よりも愛おしいと心から思え…

幸福の証明

彼女に会えない、耐えがたい苦痛!この苦痛の強さこそが、彼女と過ごした時間のかけがえのない幸福、その不在から生じる苦痛であることによって、あの戻れない日々が真に私の幸福であったことの証明となる。とすれば、苦痛がますます耐えがたいものとなれば…

孤独

誰からも理解されず、 しかし誰をも理解しようと努力し。 誰からも愛されず、 それでも誰をも愛した。 所詮は報われず、徒労に終わるが如き 我等が人生にさきはへあれ。

2017年上半期オレ様的映画賞!!!

いきなりで、ホントすまないのですが、今年の映画界、洋邦問わず、良作多いので、「オレ様的映画賞」発表いたします! 【2017年上半期オレ様的映画賞】大賞 『メッセージ』作品賞『光をくれた人』主演男優賞 ジャン・デュジャルダン 『おとなの恋の測り方』…

三鷹 My Love

東京生まれ東京育ちで「田舎」というものを私は持っていない。小学生の頃、夏休みに田舎に帰省する同級生たちがうらやましかった。しかしながら、そんな私にも、田舎とは言えないほどのものではあるのだが、「田舎」らしき場所があった。それは、母方の祖父…

屋上バカンス

友人がTwitterでリツイートしてるのを見て、今日が忌野清志郎の命日であることを知る。 思い立って「トランジスタ・ラジオ」を聴いていて、思い返すのは、「学校の屋上」っていう、あの特別な空間のこと。 学校の中にありながら屋外。教室とはまるでちがう空…

向日葵の名前

恥ずかしながら、自分を花に例えると、ヒマワリだと自称している。 太陽そのものではないが、太陽に憧れる存在として自分自身と重ね合わせている。 おりにふれ、ヒマワリ好きであると人には話すし、そもそもアカウントのプロフィール写真もヒマワリだ。 当然…

本を燃やしたこと、ありますか?

あなたは、本を燃やしたことがありますか? 私は、あります。 私はその時、中学生でした。 学校の雰囲気になじめず、不登校ぎみで、うつうつとした毎日を過ごしていました。 その日も、学校を休み、布団にくるまり一日寝て過ごし、しかし少しも気分が晴れな…