君が僕を変えてしまったいくつかのこと
君は僕のものの見方を変えてしまった
地下鉄は外の景色が見えないから好きじゃないと言う僕に
地下鉄の駅から出たときの街の風景の驚きを
君は教えてくれた
君は僕の世界の感じ方を変えてしまった
ただぼんやりと夕暮れの空を眺めているのが好きだった僕に
夕暮れの空が青からオレンジへそして漆黒へするするとうつろっていくことの不思議さを
君は気づかせてくれた
君は僕の舌と鼻を変えてしまった
コーヒーの刺激的な苦みとアロマを楽しんでいた僕を
紅茶の優しい渋みとフレーバー好みの人間に
君は作り変えてくれた
そして君は僕の夜のやり過ごしかたを変えてしまった
ベッドの上でひとり横たわり君のことを思いながら満ち足りた気分で眠りにつく僕を
キッチンでひとりウイスキーを飲みながらシナトラを立ったまま聴いている男に
君は成長させてくれた