迷光亭冬雀日記

思いつくまま、気の向くまま。行く先もわからぬまま。

デブが陽気で、何が悪い?

デブになって、よかった。自分のみっともなさを、すなおに受け入れられるようになった。ムダにカッコつける虚栄心が、ずいぶんうすまった。三度のメシが、うまくて、楽しいことに、単純に喜べるようになった。そりゃまあ、階段のぼるだけで息が切れるとか、…

ピーター・パンと車寅次郎

「終わらない思春期」、というふうに、私はプロフィールで自称しているのだが、これは別段カッコつけているつもりは全然無く(四十のオサーンがこんなこと言っててカッコつくわけ無いじゃないっすか!)、むしろ多分に「イタイ」自分を、自虐的に表現したつ…

すべてがちょっとずつ嬉しい世界

元来、ひとの人生というのは、不幸なのだと思う。 しかし、にもかかわらず、うかつにも、「幸せだなあ」とか、「嬉しいなあ」とか感じてしまう瞬間が、日常のさなかにしばしばいかんともしがたくあるわけで。 それは、ふと見上げた空のブルーやオレンジに、…

私の好きなこと

思いがけず、朝早く起きてしまい、太陽が登るのをただ待っているあいだの、夜明け前の静けさ。 会社帰りの電車の窓から、ただぼんやりと眺めている、夕日のオレンジ。 会社についてから、そそくさとほうばる、おにぎりふたつのおいしさ。 お気に入りの喫茶店…

愚者の代弁者

「愚かさ」は、はたして罪なのだろうか? 印象論にすぎない、とされてしまえば、確かにそうなりえるのだが、それにつけても、昨今の世間様を横目でながめていると、やたらと「さかしら」なひとが目につくように思われる。 いっぱしの、批評家、レビュアー、…

この素晴らしき世界

本日、病院。帰り道、駅のほうへと歩きだすと、これまで気がつかなかったのだが、緑道というか遊歩道があった。「ん?これいくと、駅に出られんじゃね?」と思い、足を向けた。 春の日差しはうららかで、新緑が目にまぶしかった。 ふと、"I see trees of gre…

もの語る人びと ~一年の締めくくりに~

副題をつけるのなら、「端的に言って人生は無意味だ。しかし、生きてみるだけの価値は有る。シリーズその2」。 年末なので、一年を振り返ってみる機会も、皆さんお有りだろうが、例えばこういうこと。「あなたの今年1年を、5分間でまとめて下さい!」、こう…

本当に面白い、ってなんでしょうね

えっと、最近、ぱっとしません。 とはいえ、グチってみてもやるせないので、人生どうすれば「面白く」できるのかなあ、なんてことをダラダラ考えてみます。 実を言うと、私、「端的に言って、人生とは無意味である」、なんて考えています。でも、あまりショ…

猪八戒主義とその顛末

木皿泉のエッセイからの孫引きとなるが、『西遊記』の猪八戒が沙悟浄に語りかける。以下引用。 あるとき八戒が俺に言ったことがある。「我々が天竺へ行くのはなんのためだ?善業を修して来世に極楽に生まれんがためだろうか?ところでその極楽とはどんなとこ…

灯よ、我とともに歩め

希望、について少し考えてみる。唐突で、すこし気恥かしいが。 希望が真に重みを持って語られる時、それにはその反対の状態、すなわち「絶望」とか「苦境」といった状態が前提になりはしないだろうか?言い換えれば、「希望」の発現には「絶望」を通過する必…

男子、四十(のちょっと手前)。

NHKのドラマ、『第二楽章』の予告を見て、自分の事を考える。今年、39、来年、40。 件のドラマは未視聴なので、ドラマの話はしない。ただ、自分も「アラフォー」なんだなぁ、と思い、ただ、あぁ、と思う。 一昨年から去年にかけて、「やりたいことがあるなら…

呪いのことば、祝いのことば

以前読んだ、内田樹と中沢新一の対談本に、件名のような話が出ていた。区立図書館で借りて読んだ本なので、今手元には無く、具体的に書いてあったこともうろ覚えだが、印象的だったので、こころにひっかかっている。 「ことば」は、それを用いるひとの心掛け…

印刷屋の息子は電子書籍の夢を見るか?

…と、件名はご大層だが、電子書籍や本、書き言葉にかんする、ただの雑記なので、御用とお急ぎでない方は気楽に読んでください。 ①我が一家は、祖父とその兄弟から、それぞれ印刷屋を営んでおりました。本来ならば、私で3代目になるのですが、父の代で、零細…

欠けていることと幸福

私が今、普段はいているジーンズに、一か所、色落ちしていて穴があきそうになっているところがある。意図的にダメージ加工したものでなく、以前道路をナナメ横断して歩道のガードレールを乗り越えようとして転倒、体前面から倒れこみ、膝を路面に打ち付けた…

ことばは人を救えるか

先日、12/2(日)、文化学院・公開講座Ⅲ「ことばは人を救えるか――いま、若者の〈生きる〉を問う 秋葉原事件から」を聴講してきた。講師は作家の辻原登さんと、政治学者の中島岳志さん。第一部が中島さんの基調講演で、第二部が辻原さんと中島さんの対談。「…

震える。ペンを持つ手が、キーを打つ手が。

さて。 せっかく読んでくれる(だろう)ひとたちには、まことに申し訳ないのではあるが、この日記は、いきなり自己言及的な記述から始めることとなる。これを通過しなければ、やはり書けないのだ、私は。すなわち、「なぜ、書くのか」ということ。 書くから…

はじめのはじめに

皆もすなる日記といふものを、吾もしてみむとてするなり。 ただ、まだ何を書こうか迷い考えているところ。 しばし待たれよ。